2017年12月11日月曜日

LINE「誤爆」とは

 嘘のネット拡散。最近話題となっては消えを続けていると思う。誤爆という用語もまたひとり歩き始めているのではないだろうか。朝日新聞の記事から感じた感想です。
 『LINE「誤爆」来月にも消去可能に 24時間以内なら』というニュース記事が11月の下旬に報道されています。LINEが間違って送ったメッセージを後から削除する機能を提供するという記事です。実は、この記事自体は、とっても大事なセキュリティ問題を孕んでいるのですが。その前に。
爆撃

 タイトルに使った誤爆とは、元々の用語は「爆撃機が間違った場所を爆撃する」ことを言います。そこから転じてWikiによると、ネットの世界では、2チャンネルなどの電子掲示板において、間違えて消したくないスレッドを消してしまった場合を指す用語として紹介されています。
 では、メールの誤送信を誤爆という用語で表現できるか。それは、完全な間違いです。爆撃が持つ語感は、何かを攻撃する、侵食する、ぶつける、投げるという能動的な行動とその目的があるときのこと。その目的を間違えた時に誤爆と表現できます。
 メールの送信というものは、投げつけるものでは無く、伝えるものです。だから、その送信先を間違えたときは、誤爆と呼んではいけないのです。若し、そう呼ぶ人が居たら、その人は、メールは送るものでは無く、投げつけるものだと勘違いしているだけなのです。それすら考えていない人は、すでに考えることを放棄している。
 そういうことを考えずに、間違った使い方を新聞記者が堂々と報道している点に、日本語の乱れを心配します。

 さて、誤送信を取り消せる機能を追加するとLINEが発表したという内容がセキュリティ問題という話を進めましょう。現在、大企業の殆どは、メールの誤送信の対策に躍起となっています。誤送信による情報漏えいが問題となるからです。今回のLINEの処置は、そういうトラブルにはまったく効果がありません。一旦、相手に伝わったものをLINEの画面上で消えても、相手が一時的にでも見ることが出来たら、情報が漏えいしてしまうからです。増してや、普通のメール送信では絶対に取り消せません。
 問題は、LINEの利用ではありません。LINEの利用者がこういう機能に慣れてしまう事が問題なのです。慣れた為に、メール送信の確認が疎かになる。その結果、有ってはならないメールの誤送信を生む可能性が高くなってしまうのです。
 ネット社会のリーダー的な企業は、そういうこともきちんと理解して対応してもらいたいものです。情報漏えいなどで、日本経済がどの程度損失を被っているか理解すべきです。

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