2022年7月9日土曜日

安倍晋三氏が亡くなった本当の理由

 選挙応援で奈良市で演説中の安倍晋三氏が暴漢の銃撃に倒れて亡くなりました。ご冥福をお祈り致します。私自身は、安倍氏を応援してはいませんが、立派な政治家であったと思います。

(NHKの報道です)

 今回の事件で、救助の方法と報道に相当な違和感を覚えました。犯人がどうのこうのとかには触れません。救急救命の本質について、ご理解して頂きたいという思いで、説明致します。

 今回の処置は、丁度、2018年11月18日の高校球児の死亡事故、同年4月4日の多々見良三・舞鶴市長のクモ膜下出血の事故での救助活動の問題と似ています。どうしてかを解説しているので、合わせてお読みください。
無知が生んだ悲劇;死球で高校生死亡
舞鶴市長が倒れた時に起きたこと

 安倍さんの被害は、銃傷。2つの可能性があります。一つは、心臓の損傷による心不全。もう一つは、動脈大出血に伴う失血による致命的な低血圧です。脳損傷とか、多臓器損傷の可能性もあったのですが、現場を見れば自明だったと思います。

 驚きなのは、事件直後の報道を見ると胸骨圧迫(俗に言う、心臓マッサージ)を施していたこと。損傷した心臓を揉むとは、当然のことから、心臓の損傷が悪化します。動脈出血の失血も、当然ながら出血を増長し、容態を悪化させます。どうして、胸骨圧迫を実施したのでしょうか。AEDの使用も厳禁です。

 事件が起きたあと、報道は、容態を心肺停止と報道しました。これも、意味不明。心肺停止は、不整脈や心房細動などで、血液循環ができなくなった状態を意味します。もちろん、心臓の全面的な損傷で、完全に停止した場合も含みますが。安倍氏の場合、失血の場合は、心臓は無い血を一生懸命に送ろうとしていた。心臓損壊の場合も、機能不全ながら、一生懸命に血を送ろうとしていたはずです。それがなぜ、心肺停止という表現となるのでしょうか。このことは、治療にあたった、病院が行った治療の疑義に繋がっていきます。 

 若し、安倍さんのケースで心肺停止と判断されたとします。つまり、生体反応が無い、鼓動、呼吸が無い。その場合は、助かる見込みは、輸血による血圧維持人工心肺による酸素の供給のみ。外傷により、鼓動を止めた心臓を回復させる方法は、外科的処置しか方法がありません。それまでの間、酸素を補給する為の応急処置しか手立てが無いのです。救急救命講習の受けた私なら、只々、止血に専念するのみ。

 しかし、夜にあった治療した医療機関の記者会見では、そういう説明は聞かれませんでした。私は、もし、現場が京都、大阪、東京だったら、救命は成功した可能性もあったのかもしれないと思っています。記者会見報道が聞き取り辛かったので、詳細は分かりませんが。

 もちろん、救命の過誤は、責めを追わない事は重要で必要な事なのです。当然、処置を責めるつもりは毛頭ありません。ただ、冒頭に紹介した例が、未だ反省されていない点に憂慮を感じる次第です。

安倍晋三氏が亡くなった本当の理由

 選挙応援で奈良市で演説中の 安倍晋三 氏が暴漢の銃撃に倒れて亡くなりました。 ご冥福をお祈り致します 。私自身は、安倍氏を応援してはいませんが、立派な政治家であったと思います。 (NHKの報道です)  今回の事件で、 救助の方法と報道 に相当な違和感を覚えました。犯人がどうのこ...