2016年10月10日月曜日

車を運転する時のハイビーム

 面白い記事を見付けました。『ハイビーム使用を…横断死亡96%が「下向き」』という記事です。
 記事を要約するとこうなります。夜間、歩行者が道路を横断中に起きた事故でその歩行者が死亡した事故の統計を取った。死亡事故625件を分析するとロービームで起きた事故が597件、ハイビームは9件しかなかった。96%の事故は、ロービームで起きているので、ハイビーム走行を呼びかけたという記事です。
 確かに、私自身がハイビームにすると家族がうざいと非難されることがあります。それほどにハイビームは使われていないのかもしれません。しかし、上記の論法に相当な無理がある事が分かります。
 まず、事故の原因なのですが、夜間に発生するこの手の事故の原因の多くは幻惑です。対向車の光がまぶしくて、路上に居た人に気付かずに轢いてしまったという事故です。この場合、対向車がハイビームとは限らないのですが、ハイビームだとしたら事故を助長します。それだけでもハイビームが事故減少に寄与することの反論とはなります。しかし、実は、もっと分析結果に問題があるのです。
 実際は、その実数が統計として出ていないので、推定しかできませんが。まず、上記の数値を並べると、次の通りです。
【単純な発生件数】
  事故総数  625件
  ロービーム運転時 597件
  ハイビーム運転時   9件
  補助灯運転時    6件
  無灯火運転時   13件
 この数値をその時点で運転していた車の台数をいい加減ですが、仮定として入れてみます。
【状態ごとの発生率を見るための仮定】
  事故総数  625件/10000台
  ロービーム運転時 597件/ 9700台
  ハイビーム運転時   9件/  200台
  補助灯運転時    6件/   50台
  無灯火運転時   13件/   50台
 その運転での事故の発生率は次の通りとなります。母数は仮定でしかありませんが、その運転方法で事故が起きる確率となります。
【想定した数値に基づく、状態ごとの事故発生率】
  ロービーム運転時 6.2%
  ハイビーム運転時 4.5%
  補助灯運転時 12.0%
  無灯火運転時 26.0%
 補助灯での運転、無灯火での運転の事故率を見るとなんとなく納得の数値だと思いませんか。この数値をそのまま使えば、ハイビームにしたからといって、事故は少ししか減りません。それに対して、無灯火は5倍近くも事故に繋がるのです。
 仮定の数値が妥当かどうかという問題はありますが。記事が紹介する60倍もの効果があるというのはあまりにも言い過ぎだと思います。
 どうです。如何に発生件数のみで推測する事が難しいかが分かると思います。私自身は、ハイビームを率先して使っていますし、大賛成ではあります。しかしも片寄った分析でその効果を歪めてしまうのは良くないと思います。
 それ以上に、無灯火の撲滅をもっと掲げて頂きたいものです。現実によく見かけます。

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